出会いの雨

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片付けも終わり、落ち着いたと思えば入学式 周りは当たり前だけど関西弁ばっかり 自然と口が重くなって、話しかける気が起きない 「なぁなぁ、お前、どっから来たん?」 突然、前の席の男子が話しかけてきた 「ぁっ……埼玉………」 「埼玉?せやったら標準語やんなぁ~。俺、大野和哉。よろしゅぅな」 にっと和哉の人懐っこい笑顔に俺は救われた 「俺、誠。小野誠。よろしく」 身構えなくても自然にクラスになじめた 思ったほど関西は悪くなかった 時々、毒を感じるけど、ノリもいいし面白いやつが多い 友達と呼べるくらいの人間も増えた たまぁに標準語だと馬鹿にする輩もいたけど、気にならなかった
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