〓序章〓

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   夢というのは実に厄介な物である。  現実には起こっていないことを、さも現実に在ったことのように意識させて、眠りの間に入り込んで来やがるのだから。    本人の意思なんて、まるで関係ないとでも言いたげに。    まぁ、これだけ愚痴っているのだから、そんな夢の一つや二つ、俺にも在るわけである。  別にそんなに何度も何度も見てるわけではないが、それは忘れかけた頃にやってくる。  もっと楽しい夢――例えば甘い甘いお菓子を食べまくる夢とか、コユキの胸が膨ら……げふんげふん! ねっ!  とにかく俺は、その夢にウンザリしている。  その夢を見た後は、必ず胸が苦しくなるから――。  
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