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何て現実逃避してる場合じゃないっ!
ひきつる頬の筋肉を叩いて状況を冷静に見る。
「小ボスだよ。」
御猫様が悪どい笑みを浮かべて説明する。
「逆光で何だか分かりません!それにぼーっとしてる場合じゃ…」
「カアアァァッ」
わたわた慌てていると小ボスと言われた闇色の奴は、雄叫びを上げた。
か…烏…?
「そう、勘太郎だ。」
悠長に言ってる場合じゃない。勘太郎は見境無しに虫や蛙…つまりは雑魚を捕虜にしている。…そのうち食べるのであろう。
「…ぬ…。童(わっぱ)…何者じゃ…儂(わし)の食事を邪魔するとならば…主(ぬし)も食す…ぞ…?」
闇色の奴は、低く地に響く鳴き声で言った。
「ほ、ほら、食べられちゃいますよ…!?」
また頬の筋肉がひきつる。
恐いよぉ…
「その様な脅しで俺が退くとでも…?は、片腹痛い!貴様など俺様が手を出すまでもないわっ!!」
「ふははは、笑止…食らってくれよう…ぞ。」
そ、それってもしかして…
二方の睨みあいを見るなり、さらなる不安がつのるのだった。
悪どい笑みを浮かべる御猫様も御猫様だけど…無表情で笑う闇色のやつも恐い。まぁ、虫で大半見えないのだが…
「勿論、俺様を食すならこいつを倒してからにするんだなっ!!」
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