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私に視線を向けないで欲しい。
だが、そんな思いも虚しく、予想通りに視線は私を示していた。
「御猫様!私実家に帰らせて頂きます!!」
もう半泣きで逃げようとする。だが…
「待てや!てかその台詞は喧嘩した夫妻みたいだろがっ!」
肩を掴みクワッと怒鳴る。
あぁ…本当に帰りたい…
泣き出しそうだったが…
「大丈夫…」
残りの一行が私と勘三郎の間に壁の様に立って言った。
「貴方達には爪一本触れさせ無いから。」
勇敢で勇ましい三匹の声に私がキュンとなったのは言うまでもない。
まぁ、私の為に戦ってくれるのねっ!
右前足で口を覆い、脳内でキャーキャー騒ぐ。
「4/5(ごぶんのよん)は俺様の為だがな。」
ハッと鼻で笑われた。御猫様は心を読む…止めて欲しいものだ。
「面白い…来るが良い…!」
大半雑魚を捕虜にした小ボスは全貌を現し、大きな闇色の翼を羽ばたかせ、勢い良くこちらに向かって来た!
「行くぞっ!」
アビスの勇ましい掛け声で三匹同時に勘三郎に飛びかかる。多勢に武勢。勇者の諸行ではな…
「何か文句でも有るのか…?」
やばい、御猫様が冷たい笑顔で見ている!また盗み聞きしたなっ…!
「い、いえ…なにも…」
どんどん声が小さくなる。情けない…。
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