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そうこうしているうちに勘三郎は既に劣勢状態だ。
まぁ、強い猫三匹にフルボッコにされたのだから仕方ないと言えば仕方ないが…
「待て…」
もう戦えなくなった勘三郎を見て御猫様は皆を制した。
どうするつもりだろう…?
「奴の…ベスの弱点を教えろ。そしたら助けてやろう…情報通の御前には容易い事だろ…?」
うわ、こいつは勇者じゃない!鬼だ!!酷すぎる!!!
普通に交渉しても良かったのでないかと、平和主義的私は思う。あぁ…何て寛大なわ・た・し…♥
「牛乳、気持ち悪いぞ。」
御猫様が顔をしかめる。
だから読むなって何時も言ってるのに…
「…儂も命は惜しい…教えてやろう…」
ううと唸りながら苦しそうに勘三郎は話す。
可哀想に…
「良い判断だ…」
にっと御猫様は笑った。
「左…後ろ足…」
「左の後ろ足…?噂は本当だったか…」
確信した様に頷く。噂とは何の事だろう。
「かつて…魔王を助ける際に負傷した傷が癒えないそう…だ。」
補足としてきっちり勘三郎が説明してくれた。この方も心を…まさかね…
「良し…好きにしろ。全員進軍準備!魔王は近い!!」
ばさばさと弱々しく羽ばたき勘三郎は消え、御猫様の叫び声が轟いた。
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