序章*パーティを収集せよ!

2/3
前へ
/46ページ
次へ
 「本日呼び出したのは他でもない…」 重ねられた箱の一番上で威厳たっぷりに御猫様は叫び、間を空けた。 …………ゴクリ。 集まった猫達は生唾を飲み込む。 「…………俺、勇者になるわ」 え、報告ぅっ!? ツッコミ体質の私には、ツッコまずにおれない。 「そんな“ちょっくら魚屋行って来るわ”的な風にさらっと言わないで下さい!」 「えー…。じゃあちょっくら魚屋行くついでに魔王倒しに行って来るわ。」 言い直した!しかも前より具体的だ。 「つ、ついで…どんな雑魚ですかっ!?」 軽々しく言うからよっぽど弱いに違いない。 「や、三丁目のベスだ。」 三丁目のベス…とは、左目が潰れ、傷跡が残る、恐面(こわもて)のシベリアンハスキーの犬である。あいつは人間の中の“痴漢”という種族の前足を喰い千切ったという伝説が有るらしい。 「そ、そそそんな最強じゃないですかっ!」 慌ててそを何回も言う私にんーと唸りながら考えてにっこりと言う。 「間違えた。奴は中ボスだった。」 中ボスゥゥッ?!何その強過ぎず弱過ぎずの微妙な位置…何てお方だ…御猫様…。 「まぁ、どっちにしろ倒しに行くが。」 えぇぇっ!?どんだけ貴方強いんですかっ!? 心のツッコミはなおも続く。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加