第二章

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「ねえ、塩田君…。」 「ん、ああ…なに?」 今はちょうどキミがいない だから少し聞いてみよう 「男の子が男の子を好きになるのって、あり得ない…よね…?」 「はっ?!…なに言ってんの?」 塩田君は本当に驚いた様子 そんなに変なんだ…。 まあ、当たり前だよね 「あり得ないよねっ」 ボクは泣きたくなる気持ちを 抑えながら塩田君に聞く 「男同士だろ、あり得ない」 ずきん わかっていた答えなのに 改めて聞くと胸が痛い 「んで、何で…?」 塩田君はボクを見ながら聞く 「あ、えっと…」 何で…と聞かれても 「もしかして…瑛佑」 「ち、違うよっ…ボクは男なんて好きにならないよ!!」 必死につく嘘 「だよなあ(笑)」 「そうだよ、男同士なんて…絶対あり得な…」 今、ボクの目に写るのは 「瑛佑…?」 ボクを心配する塩田君でも 「はい、席着いて」 元気な声で叫ぶ先生でもない 「ゆ、う…ちゃん」 とても悲しそうで とても苦しそうな キミが立っている姿 そのままキミは席に着いた 「あれ、田宮君…席着いて」 「…っあ、はい」 ボクは急いで席に着く ずきん、ずきん、ずきん 胸が痛くて、苦しくて キミと会えた2日後 ボクとキミに溝が出来た
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