第二章

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あれからキミとボクは 「瑛ちゃん、おはよう」 「あっ、おはよう」 あいさつを交わすだけ 自分の気持ちに気付いた矢先 好きな人に冷たくされる それはこんなに辛い事なんだ ガラガラ 「みんなおはよー、今日は1週間後に控えた遠足について話し合いまーす」 歩きながら話す先生 「まだ入ったばっかりで、班を決めるのが難しいと言うことで…番号順でいきまーす」 先生が生徒の名前を呼ぶ 「………高木悠、田宮瑛佑…」 あ、キミと同じ班だ きっと前なら喜んだのに 今は複雑な心境で うつ向いたまま聞くしかない 「…以上、話し合い」 先生は席に着いて本を読む ボクの班はキミを中心に 円を作って座る 「まず自己紹介、清宮貴司」 ボクの斜め前の男の子 「関野篤司、よろしく」 ボクの前の男の子 そして、キミの番 「高木悠です、よろしくね」 にっこり そう効果音がつきそうな笑顔 やっぱり可愛いな そんな事を考えていると 「次、お前だよ」 関野君がボクを見て言う 「あっ、田宮瑛佑…です」 急な自己紹介は苦手 「一応この4人だよな…。」 もうこのグループの リーダーみたいになっている 関野君、すごいなあ…。 「持ち物、どうする…?」 だんだんと話し合いが進む 「それじゃあさ…」 でも、やっぱり気になるのは 隣に座っているキミのこと こんなに近くにいるのに 手を伸ばせば簡単に届くのに とても、遠く感じてしまう
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