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「キミ、名前は…?」
中庭にあるベンチに座り
隣にいるキミに質問をする
「高木悠って言うんだ。」
初めて知るキミの名前
「ボクは田宮瑛佑、よろしく」
キミはボクの名前を知ると
「瑛ちゃんか、よろしく」
笑いながらボクの名前を呼ぶ
「ならキミは悠ちゃんだね」
負けじとボクも笑う
こんな些細な出来事でさえ
キミとだから嬉しくて
「瑛ちゃんと同じクラスがいいなあ…。」
キミにとっては何でもない
言葉かもしれないけれど
ボクがドキドキするのには
十分過ぎる言葉
「そろそろ終わるかな…?」
顔の赤いのがバレないよう
キミと逆を向きながら言う
「う~ん、たぶん」
キミは少し悩んだあと
「行く…?」
ボクの顔を覗きながら聞く
どきん
「あ、うん…行こっか」
キミの行動1つで
ボクの心がドキドキする
この気持ちは何だろ
ピンポンパンポーン
「高木悠くん、至急職員室に来てください…。」
ボクとキミを引き離す放送
「何だろ、行くね…?」
「ボクもそろそろ行かなきゃ」
本当は行きたくないけど
「瑛ちゃん、またね」
またね、この言葉を聞いて
ボクのココロは少しだけ
温かくなり出した
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