第一章

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「キミ、名前は…?」 中庭にあるベンチに座り 隣にいるキミに質問をする 「高木悠って言うんだ。」 初めて知るキミの名前 「ボクは田宮瑛佑、よろしく」 キミはボクの名前を知ると 「瑛ちゃんか、よろしく」 笑いながらボクの名前を呼ぶ 「ならキミは悠ちゃんだね」 負けじとボクも笑う こんな些細な出来事でさえ キミとだから嬉しくて 「瑛ちゃんと同じクラスがいいなあ…。」 キミにとっては何でもない 言葉かもしれないけれど ボクがドキドキするのには 十分過ぎる言葉 「そろそろ終わるかな…?」 顔の赤いのがバレないよう キミと逆を向きながら言う 「う~ん、たぶん」 キミは少し悩んだあと 「行く…?」 ボクの顔を覗きながら聞く どきん 「あ、うん…行こっか」 キミの行動1つで ボクの心がドキドキする この気持ちは何だろ ピンポンパンポーン 「高木悠くん、至急職員室に来てください…。」 ボクとキミを引き離す放送 「何だろ、行くね…?」 「ボクもそろそろ行かなきゃ」 本当は行きたくないけど 「瑛ちゃん、またね」 またね、この言葉を聞いて ボクのココロは少しだけ 温かくなり出した
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