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玄関にあるクラス表を確認
「あ、ボク1組だ…。」
キミの名前も…
そう思ったんだけど
チャイムが鳴ったから
早足に教室へと向かう
ガラガラ
1人で教室に入ると
みんなはもう
入学式を終え、着席していた
黒板に貼ってある座席表
「ボクの席は…っあ」
驚いた、違う、嬉しかった
だってボクの前の席が
高木悠、そう書いてあった
ルンルン気分で席に行く
早くキミに来てほしい
きっと驚くだろうなあ(笑)
ボクはキミの驚く顔を
想像して、くすり、と笑った
「何が可笑しいの…?」
隣の男の子に聞かれた
「あっ、ごめんね」
自分が何に対して謝ったのか
ボク自身もわからない
ただ、気持ちがフワフワする
「変な奴、俺は塩田和成」
「あっ、田宮瑛佑…です」
急な自己紹介に慌てながら
自分の名前を相手に告げる
「瑛佑か、よろしくな」
そう言って差し出された右手
「あっ…よろしく」
ボクもおずおずと右手を出す
握られた右手
キミの時みたいに
どきどき、ってしない
なんでかな…?
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