6人が本棚に入れています
本棚に追加
「いやいや、それは
まずいって」
唇をなめるとカンパリの味がした。
ということは、銅貨の唇にはウォッカの味がうつったのだろうか?
まぁ、別にどうでも
良い話だけど…
ふと後ろで、さっきの女が何かわめいているのが聞こえ反射的に舌打ちしてしまう。
「……私、面倒は嫌いって
言ったでしょ?」
「俺、嘘は嫌い」
「嘘なんて一つも
言ってないわよ。
相手が勝手に
解釈したんじゃないっ」
「エン…それはへりくつって
言いません?
そう仕向けたのは
エンだろ?」
「うるさいわね!
あの女の処理はあんたに
まかすわよ」
振り返り女の方を顎でさすと、銅貨も視線をうつす。
予想通り、女は怖い顔でこちらを見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!