●アカ

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  まぁ、 銅貨の意見なんて 適当に聞いておけば良い。 気まぐれな銅貨の言葉は すぐに変わるから…。 「エンには似合わないよ」 起き上がり、 私と同じ方向に寝なおす銅貨。 「あんた、さらっと  傷つくこと言うわね」 読んでいた雑誌を閉じ、 じろりと銅貨を睨んでやる。 「ごめん。でも…」 「好きじゃないでしょ?」 「いつもの、  透明とかピンク系で  いいんじゃない?」 指の方はいつもと一緒ジャンと 私の手をとり、かぷっと 人差し指をかじってきた。 ぼーっとしているようで、 意外に見ているのだなと 改めて思う。 私はあまり色のついてた マニキュアを使わない。 「…まぁ、  一意見として聞いておくわ」 銅貨の口から指を引き抜き、 言っておいた。     
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