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「私も銅貨も?」
視線だけ送り尋ねると、
そうだよ…と頷いてグラスの
茶色い液体を銅貨が飲み干した。
喉を通るアルコールの焼ける
感覚を想像しながら私は
瞳をとじてみる。
銅貨がウィスキーを
飲むときは寂しい時。
一人でいたくない時。
「何かあった?」
カウンターに肘をつき
尋ねてみる。
さっき銅貨が私に使った
同じ台詞で。
問いには答えず、
銅貨は綺麗な顔をニコリと
笑顔に模る。
「エン、キスして欲しい」
「嫌」
「それは残念」
ちっとも残念そうでない顔で
銅貨が言う。
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