●ボーダーライン

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    「シンヤさんの怒鳴り声なんて  始めて聞いたかも…」 開店にはまだ少し時間が あるため店にはオーナーである シンヤさんだけなのだろう、 いつも穏やかな印象が あったため少し驚いた。 「シンヤさんて恋人  いたんだ…」 俺とは別の箇所でエンは 驚いていたようだ。 「年上の恋人がいるって  聞いたことがあるよ」 「へぇ…何か意外」 シンヤさんに直接 歳を尋ねたことはないけど、 20代後半ぐらいの年齢では ないかと推測している。 ヒゲをはやして、 眼鏡をかけ、 伸ばしっぱなしの髪をいつも ゆるく後ろで縛っていて ぱっと見はイケテルとは 言いがたい… 無駄口もたたかず、 落ち着いた物腰でたたずむ姿は 正直、年齢不詳。 でも、よぉく見ると ノーブルな風貌をしていて カナリ美形な人だ。 眼鏡やヒゲのアイテムは、 それをあえて隠しているように 見えて内心もったいないな…と 思っていたりする。 「シンヤさん結構モテルよ?」    
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