●ボーダーライン

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    観察眼の鋭い女子や、 シンヤさんの甘く響く アルトの声に魅了される人が 老若男女問わず密かにいる。 シンヤさん本人は 全く気付いてなさそうだけど… 「それは知ってるわよ。  年下を上手く手の上で転がす  タイプかと思ってた。  何か全然余裕ない  かんじねぇ?」 肩をすくめシンヤさんを 顎でさしエンが言う。 バイトを始めて2年になるけど シンヤさんが感情をあらわに する姿を見たのは始めて かもしれない。 電話の相手と会話が 終わったのだろう、 乱暴に携帯を切り、 畜生とシンヤさんは頭を かいている。 うん。意外な一面だ…。    
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