悟朗くん

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ここは消しゴムが並ぶ、棚の中、横には新製品の消しゴム達が並ぶ、 3日前までは、自分達がいるこの棚に新製品のシールが貼ってあった、 みんな新製品のシールには弱い、 横の棚を見てからこちらの棚を見るか、新製品だけ見るか、シールがあるとないとでは売上が倍以上ちがう、 そこに、 消しゴムくんはいた、 元新製品のシールがあった棚の一番見えやすい位置、少しでも揺らせば落ちそうな位置にそいつはいた、 「クソ~なんでこんなに見えやすいところにいるのに、誰も見ない‼」 売れて行った先輩は言っていた、 『これからは俺達の時代だ、もう一生ここからシールがはがされることはない』とか言ってたのに・・・・・・・・・ 消しゴムくんは。横にいた長消しゴムに話しかけた、「お前は思わないか?売れて外の世界に出たいって、思わないか?」 長消しゴムは言った、 「思わないな、今の生活わりあい楽しいし」 「は?何が?何が楽しいしんだよ?」 「人間観察かな、ほら、あそこにいるカップル、よく見ればさっきから男も女も顔合わせてない、あれは中悪いな」 「しらないよそんなこと、考え直せよ、クソ~行きて~早く行きて~」 そう思う今日この頃でした
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