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「ちょっと待った｡アンタ､まさかその顔のまま教室戻る気？」
「…え？わぁっ」
言われて､あわてて近くの洗面所の鏡を見た理香は思わず頬を押さえた｡
目が真っ赤だ｡
「クラス､１Ｄだろ？」
「え？そ､そうですけど‥」
(え､え､まさか‥！)
理香は彼を振り返った｡
「俺､同じクラスだし｡届けてやるから､早く顔洗ってこい」
「え‥タメだったの？！」
呆然とする理香に構うことなく､彼はスタスタと廊下を進んでいた｡
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