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街を歩いていると、やはりカップルが多い。
沙織里が家を出て4ヶ月。
いるはずもない街中をつい探してしまう。
まだ好きなのだろうか…。
!沙織里じゃないか?
追って顔を確認する。…違う。
何やってるんだろ。
はすむかいのカップルに笑われているような気がする。
別に一人でもいいだろ。
また、くしゃみ。
寒くなってきたな。
いつの間にか日差しは隠れ空は、薄いグレーのどこまでも続く遠い雲に覆われていた。
健志はデパートへ入っていった。
一階の香水売り場に立ち寄る。
コロン変えようかな…。
ブルガリ フェラガモ カルバン・クライン…。
健志は店を出る。
目の前はジュエリーショップ。
案の定カップルで一杯だが、一人で商品を選んでいる人も結構いる。
まあ、今日か明日には彼女彼氏にプレゼントするのだろうけど。
つまらん。
スニーカーでも見に行こう。
なかなかショップも充実していていいんだよな。
沙織里とよく来たし…。
はいはい。
最新モデルをチェック!
やっぱ、冬はハイカットの方が良いよな。
なんかさ、最近一人言多い気がするんだけど。
健志は家電コーナーに移動した。
疲れたな。
お! マッサージ機あるじゃん! …店員はいないし、では拝借。
いや、実際最近のマッサージ機は侮れないのよ。ロボットだよロボット!
本当一人言が多くなってる。…大丈夫?
開始10分 爆睡。
ふと気がつくと機械は停止している。
カップルがこちらを見ている…気がする。
おかしいだろ。X'masイヴに一人でマッサージ機って!
健志は何事もなかったように(実は思いきり恥ずかしい)マッサージ機を離れた。
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