馬と鹿

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「君が行ける高校の数は、無に等しいね」 先週の金曜日、俺は教師からそう申告された。 頭が悪いからだ。 別に、不良だったとかそういうのではなくて、取り敢えず頭が悪いんだ。 悩みに悩んだ。 将来どうしよう?てな。 「馬鹿なんだから考えても無駄でしょ」 更に休みの日曜には、姉にそう言われる始末。 心底殺意が湧いた。 榊原 ルキ(さかきはら るき)。 それが俺の名前。 期待のルーキーから棒線を消してルキだ。 しかし、実際には頭が悪いため、名前負けしていると言ってもいい。 なるほど、俺は字で表すと馬と鹿なわけだ。 「進路……どうしよう……?」
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