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なんで?
俺、人付き合いが苦手なんだよね。
「………………あ、あのぅ……?」
少女は頬を紅潮させて俯いてしまった。
やっぱりフラグ折っちゃったかな?
もうこのままデストロイフラグかな?
「なに?」
「な、名前……教えて下さい……」
少女は服のスカートをギュッと握りしめながら俺を真っ赤な顔で睨んだ。
危うく理性とかが消え失せるとこだったぜ。
「榊原 ルキ」
「ルキさんですか……。私は、アイリシア・リリス・グラウギルです」
「perdon?(もう一回言って)?」
長い名前だな。
というか今の名前?
新手の呪文とかじゃないの?
何語ですか?
「何語ですか?」
「英語です」
俺が思ったことを君が言ってどうするんだ。
英語に関しては俺より頭悪いじゃないか。
「私、日本語ならわかるんですが」
何故か、風の音が、よく聞こえた。
ああ、夜風が涼しいな。
「名前が長くてわからない」
少女は、納得したかのように右手の掌に左手の握り拳をポンと置いた。
俺なら手が逆なのだが、左利きなのだろうか?
「日本名は桜楼 天夜(おうろう てんや)です」
それはなんていう技名だい?
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