第1章 孤独

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あたしの部屋と和哉の部屋はベランダが向かい合わせになっていた。そして、あたしと和哉は親同士の付き合いともあり、話すようになり一緒に学校へ行くようにもなった。それから3年もの月日が流れたある日和哉が親と楽しそうに歩いてるのを目撃した。親と楽しく話した事さえできなかった私は、なんとなく心に衝撃を受けた。気にしないようにしていた私だったが、気にしてしまう日々を過ごしていた。そして、だんだん和哉と心が離れてしまっていた。 和哉と会わない、登校しない日々が続くとクラスメートの渚(なぎさ)との付き合いが多くなった。放課後は2人で毎日のようにカラオケに通いつめた。渚も愛我もカラオケランキングで上位を争うほどの実力であり、その上、渚はヒップホップ系ダンスクラブ「スマイルビート」の常連でもある事を最近知った。「スマイルビート」は会員制で過去に一度は夏のコンテストで準優勝まであがらないと入場できないと聞いたことがある。尊敬する渚と遊んでいるとハッチャケて毎日が楽しくてしょうがない。その一方で、和哉と街や学校で目が逢う旅にイライラが増していくのが分かる。 私は、だんだん和哉をさけてしまっていた。 そして、心が離れていく一方だった。
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