帰省

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「この村には、怪奇現象が起こるというのです」 マイクを持った女性が話している。 「早速、入っていきましょう」 女性は、山奥深くを歩いていく。 そこで、映像が止まる。 「この場面です」 ナレーターが言った。 「この場面に、人らしき姿が見えます。 もちろん、私たち以外には、誰もおりませんでした」 「これは、何か霊的な物なのでしょうか。 私たちの調査は、まだまだ続きます」 マイクを持った女性が話す。 「以上、噂の月夜村でした。 お伝えしたのは、ジャパンゴーストバスターズ。 略して、JGBでした」 そう言って、ナレーターが締めくくった。 ブツッ テレビの電源を切った。 くだらない。 煉は、荷物の整理を始めた。 彼の名前は、西口 煉(れん)。 大学生で、一人暮らしをしている。 夏休みを使って、実家に帰る予定だった。 まったく、何が怪奇現象だ。 霊なんかいるわけないだろ。 霊だとか、怪奇現象とか言うけれど、そんなの非現実的だ。 お盆の季節になってきて、そうゆう番組も増えてきた。 煉は、荷物をまとめ終えた。 さあ、我が家へと帰るか。 カレンダーは、8月5日をさしていた。
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