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統弥「ちょ!ちょっと待ってて!」
彼女と兵士をその場に残し、すぐに姫の所まで駆け寄った。
統弥「姫!!」
肩を掴み顔を下から覗き込む。付き添いの男は出来事にのみ込めずにいた。
姫「…何?」
愛想無く姫がそう言うと俺は確信した。声が彼女そのものだった。
統弥「姫!会いたかった!」
姫をギュッと抱きしめ、言ったが反応がない。寧ろ反応をしているのは付き添いの男の方だ。
男「あ、あのぅ…姫さんのご友人ですか?僕、木田 希 (キダ ノゾム)って言います」
申し上げ難そうに言うその男は見るからに幸薄そうな優男だった。ひょろっとした体格で年は老けて見えるが恐らく20代前半くらいか…身長は俺とほぼ同じくらいだった。
統弥「統弥って言います。姫のこと何ですが、彼女は何故ここに?」
疑問をその男にぶつける。
希「…少し縁がありまして…それより彼女…感情が無いのはご存知で?」
統弥「!?」
改めて姫の顔を確認する…確かに生気をまるで感じ取れない。瞳は死んでいた。
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