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「くっ…!『天空を統べし神よ、祖が身に纏われし光の力を我に貸し与えよ!全てを浄化する無慈悲なる一閃!ブライトキャリバー』!!」
シロレンジャーが何やら手に光る剣を出したっぽいが、刃物程度で怯むオレではない。こっちは銃で撃たれた経験アリだぞ。そんな見慣れたモノに恐怖感など皆無だ。
地面を抉るように蹴り出し、集団に突っ込む。決して速くはないが、確実に…迷い無くターゲットを絞る。
…まずは…エモノを出したシロレンジャーから。
自分が狙われていると分かったらしいシロレンジャーは、腰を落とし応戦体制に入った…が、そんなモン……
ブチ抜くまでだ。
剣が振りかざされた瞬間、一気に間合いを詰めて右手で持ち手から一太刀をいなす。がら空きになった腹に左の掌底を斜め上に向けて打ち込み、体を捻り無防備な脇腹に左の横蹴りを躊躇無く叩き込んだ。
「カハッ!!!?」
シロレンジャーはくの字に身体を折り曲げ、数m吹き飛んだ。無様に地面に転がった時には、身体を痙攣させて動かなくなった。まずは一人。
次は……
「おろ?蓮じゃないか!!来るなら来ると連絡しろとパパはあれほど言っただろ?」
…名前を呼ばれ、オレは感情を呼び戻す。
…あ、自己紹介が遅れたな。
オレは二宮蓮、よろしく。
ともかく、オレの名前を呼んだ人の方を見てみる事にした。
「…父…さん…!?」
そこに居たのは、オレが10歳の時に失踪した実の父親、二宮秀太だった。というかパパとかキモい。と…
「蓮ちゃん!?大きくなったわねぇ♪」
傍らには親父と同じく失踪した実の母親、二宮皐月の姿も見受けられた。
…というかだ。♪を付けて話すなと昔言ったハズだが……それに『蓮ちゃん』はやめぃ。この歳でそれは非常に恥ずかしい。
「…母さんまで…!?」
まぁ当たり前に驚きを隠せないオレ。更に…
「…ホントにいた!!蓮くん!!」
「…梓ぁ!?」
あの日、オレのせいで凶弾に命を散らせたハズの姉、二宮梓もそこにいた。
「ちょ、ワケが分からない…!父さんと母さんはさておき、なんで梓が…!?」
…混乱するよな、誰でも。
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