新たなる舞台の開演

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「…どういう事だ?」 …お。親父が芸人顔負けのズッコケかました。何か似合うな~。 「…つ、つまりだな!地球での記憶はあるんだ!だが、その肝心な部分の記憶だけが綺麗サッパリ消えてるんだよ!」 「何で?」 「…お前、自分が死んだ記憶…いるか?」 …うん、いらない。 「…そういう事だ。地球で死んだ人間は、こちらで再び始まるんだよ。ただし、こちらの記憶も含め、魔法という存在を認知した上で…だがな。」 へぇ…。でもオレまだ死んでないぞ? …とか言うとややこしくなる事間違いナシ!だから言わずにいよう。 ま、それはそれとして。…何か可哀想だから言ってやる事にした。 「で……アイツら誰?」 お忘れの方もいるだろうが、犬と呼ぶにはあまりにも相応しくない動物を気絶させただろ?オレ。んで、その時オレって散々言われて何か魔法とか喰らいそうになってたよね?まぁ一人潰したけど。 そいつらが集まっていじけてるんだわ、もう何か負のオーラ全開でさ。コレは助け船出さないと申し訳なくて…言ってやりましたよ。 オレって空気読めるいい人じゃない? 「あぁ、巷で有名『フェルシオン五姉妹』だな?一応…私の養子だ♪あ、こっちでの名字、フェルシオンだから。」 …ほう、親父のクセにほざきやがったな?養子……ふむふむ。養子と来たか。実の息子をほったらかしておいて…養子縁組してやがったか。 「親父、明日の朝日は…見なくても十分か?」 オレは笑顔でそう言った。もう天使のスマ~イル♪ぐらいに輝く笑顔でだ。 「…え?」 …オイオイ、そんな怖がるなって。大丈夫、痛いのは一瞬だけだから♪ 「え?え?な、何?私何かやらかした?」 「あぁ。もう生まれた時点でやらかしてるな。」 「存在を全否定!?」 「今更…謙遜するなって。」 せっかくマ〇クより高いスマイルをプレゼントしてるのに、ガタガタ震える事はないだろ? …なんてジリジリ親父に詰め寄ってると、聞いちゃいけない言葉が聞こえてしまった。 『天界統べし大いなる神よ、我が血に応えその力を見せよ!その槍、全てを貫き屠る神槍なり!』 …そう、アレだ。 『魔法』だ。
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