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俺は“いつもどおり”を演じる様になった――
「帰り何処か寄るか?」
「いや、今日はやめとくよ。課題もあるしさ」
「最近どうした?」
『変だぞ』と言って、アイツは背を曲げ俺の顔を覗き込んだ
そして、一瞬にして俺の視界はアイツの綺麗に整った顔でいっぱいになった
そしてどんな闇よりも黒く輝く瞳と自分が交わってしまった
――瞬間、俺はアイツに捕まった
動けなかった
目を逸らす事も出来なかった
ただただアイツの瞳を見つめ続ける事しか出来なかった
吸い込まれてしまいそうだった――
きっと一分も見つめ合ってはいないはずなのに、俺には何十時間に感じられた
そんな感覚だった―
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