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俺達はずっと一緒だった
なあ、そうだろう?
―“幼なじみ”なんだから――……
いつもの様に朝起きて飯食ってたら母さんに軽く小言言われて、うるせーって言い返しつつ家を出て朝の通勤ラッシュでぎゅうぎゅう詰めになった電車に揺られて…それから最寄りの駅で下車
そこから徒歩で学校まで向かってたまたま下駄箱で鉢合わせたクラスの友達と一緒に教室まで来て…
“いつもどおり”だったんだ…そう、何もかも
変わるモノがあるなんて考えもしなかったんだ―
あれ、おかしいな…いつもならこれぐらいの時間には教室に要るはずなのに……
いつもなら自分より早く来て要るはずのアイツが遅刻ぎりぎりの時間帯になっても来ていない
事故とかじゃないよな?寝坊したのかな?
遅刻仕舞いと教室内に早足で駆け込んで来る奴が要る中、ゆっくりとした足取りで入って来た奴がいた――
――アイツだ…
良かった…何かあったとかじゃなくて……
一言声を掛けようと思いアイツが近くを通り掛かろうとしたのを確認してから、椅子の腰掛けから背を離し軽い前屈みの体制を取った
なんか、声掛けるだけなのにドキドキする…
胸元をきゅっと握りながら首を傾げる
俺、変だよ…絶対なんかおかしい―――
…いやいやいやいや!きっと昨日の事があったから意識しちゃってんだよな、そうだよそう!絶対そう!
うんうん、と一人で納得しながらアイツが前を通るの待った
そして俺の前を通ったアイツに声を掛けようと、挨拶をしようと顔を上げた
おはよう!遅かったな、とそう続くはずだった―
――でも、アイツは俺がまるで存在しなかの様に俺に目を向ける事なく平然と通り過ぎて行った
…そう、まるでコレが普通だと言わんばかりに―
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