*変化*

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昔からずっと一緒だった 昔からずっと大切だった 昔からずっと……… お前だけを想っていた 昔からずっと、ずっとお前だけを……………。 ~変化~ 「おはよう」 俺は何時もの様に幼なじみのアイツに話し掛ける。 「ぁ、うん。おはよう」 少し遅れてアイツが返事を返す。 「課題やってきた?」 「ぅ~ん。まだ。昨日ゲームやってたら寝られなかった」 よく見てみれば、目の下に薄く隈が出来ている。そんなアイツが愛らしくて、ついつい顔が綻んでしまうのを気付きながら返事を返した。 「やっぱり。だと思った。仕様がないから写させてやるよ」 アイツは『ありがとな』と軽く返しながら少し照れていて、そんな顔を隠す様に俯く姿が俺には可愛くて仕様がなかった。 きっと今の自分は顔が緩んでるんだろうな、とか思いつつそんな自分も嫌いじゃない。なんて思ってしまっているんだろう。 それぐらい俺はコイツが可愛くて、愛しくて仕様がない。 別段顔が整っているとかではない。平凡とか何処にでもいそうとか言われる類。 だけど俺にとったらアイツの全てが特別で……… さらさらとした焦げ茶色の髪に同じ色をした純粋な瞳。そして触り心地が良さそうな白い肌。 俺との身長差があるから顔を見上げて、覗き込む仕草とか…堪らなく可愛い。 生まれた時から隣にいて当たり前の存在。 俺はそんなアイツの事が昔から好きだった―― ………でも最近アイツの様子がおかしい。 .
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