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独りぼっちだった
家に帰っても親もおらずに
テーブルの上には200円の小銭が置いてあった
僕はそれを握り締めてお菓子屋へ走ったんだ
毎日同じ日々だけど
毎日同じ孤独だけど
僕は独りで生きてきたから
あの太陽だけが僕の友達だった
いつの日かあの太陽と追いかけっこしてたんだ
ずっとずっと走っても手も届かない
それでも精一杯手を伸ばしたんだ
いつか捕まえてやるって信じてたんだ
やがて年月が進み恋もし始めた頃
あの太陽の事は忘れてしまった
やがて恋に終わりを告げると
ただ無意識に空を見上げてたんだ
そうか君はずっと見守ってくれてたんだね
君はずっと僕の笑顔も涙も見てた
慰めてくれてる様に感じた
優しく暖かく僕を包み込む
また涙が出て君を追いかけたよ
君は高い空から僕を見てる
いつか仕事に就いたんだ
立派な大人になろうって思ったんだ
だけど社会はそんなに甘くないらしく
僕は大人達に弾かれたんだ
それでも挫けず頑張ったよ
立派な大人に憧れてた
縦社会は僕に合わないらしく
横の線で繋がった友達を探した
けれど友達はみんな結婚していき
僕はまた独りぼっちになるんだ
ある日太陽を眺めていたら
太陽が沈んでゆくのに涙が出た
生まれては消えてゆくもの
人間もそうなのかもしれない
だけど君はまた姿を現す
僕をまた明日へ届けてくれる
今日も精一杯走ったよ
君に追いつける気がして
夏の日が待ち遠しいね
僕の心はまだあの日の少年のまま
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