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不味くはないが、うまくもない。
ミントの格別な清涼感が体内に広がる。
なかなか効き目はありそうだ。
「それで…例の仕事って?」
俺の悲壮な顔を見てため息をつく彼女の顔に、何か謎めいた不穏な陰がよぎる。
「サライんとこの居候がさ、先々週コンコースの脇で見つかったのは聞いてる?」
首を振ると、もう痛みはないが、頭が重く傾ぐ。
「そうだと思った。ほっつき歩いて飲んだくれだもんね。
ともかく、どうにも奴さん、何もしゃべらないらしいんだ。
まるで魂盗まれたみたいにね、始終だんまりだって」
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