その話が舞い込んだのは、3日前のことだった。

10/13
前へ
/25ページ
次へ
不味くはないが、うまくもない。   ミントの格別な清涼感が体内に広がる。   なかなか効き目はありそうだ。   「それで…例の仕事って?」   俺の悲壮な顔を見てため息をつく彼女の顔に、何か謎めいた不穏な陰がよぎる。   「サライんとこの居候がさ、先々週コンコースの脇で見つかったのは聞いてる?」   首を振ると、もう痛みはないが、頭が重く傾ぐ。 「そうだと思った。ほっつき歩いて飲んだくれだもんね。 ともかく、どうにも奴さん、何もしゃべらないらしいんだ。 まるで魂盗まれたみたいにね、始終だんまりだって」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加