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「未琴君?」
『カレン・・・君は僕が死んだことをずっと自分のせいにしてるね?』
「だってあれは・・・私がちゃんと左右を確認してれば・・・未琴君は・・・」
その言葉に未琴は首を横に振り、頬を流れる涙を指ですくってやる。
『あれは誰も悪くない。僕も悪くないし、カレンも悪くない。だからもう、泣かないで笑って。君は笑ってる方が似合っているから。』
「未琴・・・君・・・」
目元にある涙を拭えば未琴は優しく微笑んだ。
『そう、やっぱり泣いてない君は可愛い。大好きだよカレン。』
チュッと額にキスを送れば途端にカレンは頬を朱に染めた。
『さてと、もう僕は・・・』
「えっ?」
疑問符を浮かべたカレンだったが、すぐにハッ!と気付く。
未琴の姿が薄くなっているのだ。
「い、嫌だよ未琴君!私・・・」
『カレン、僕の気持ちは君に届いた。配達は完了したんだ。それに僕はもう死んでいるからね・・・』
ゆっくりと掴んでいた彼女の腕を離す未琴。
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