62人が本棚に入れています
本棚に追加
「これを彼女に・・・」
依頼物を渡され瑠音は頷く。
「分かりました。ではすぐにお届けいたします。」
その言葉に依頼主はホッと一安心し微笑んだ。
「ありがとうございます。では僕はこれで。」
「はい。道中お気を付けてくださいね。」
「はい。ではよろしくお願いします。」
そう言うと依頼主は手を振り、後ろに出来た光る道を歩いていった。
瑠音はそれに手を振って返すと、すぐに鞄の中に依頼物を『手紙』にしてしまった。
そしてカッチリと鞄を閉め、自転車に跨る。
「さてと、行きましょうか。」
ペダルを踏み目的の場所へと瑠音は向かう。
「ひっく・・・ひっく・・・」
1人の少女が道端で泣いていた。
緑色の緋翠の様な瞳に少しくせのついた長い茶髪。
少女は一頻り泣き終わるとゆっくりと立ち上がり、家に帰っていった。
少女の泣いていた場所には花やお菓子などが供えなれている。
最初のコメントを投稿しよう!