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「あっ、カレンちゃんよ」
「カレン?あぁこの間事故で恋人が死んだって言う子だね。」
「何でも彼女をかばって亡くなったらしいわ。それで今でも悔やんで、事故現場に行っては泣いてるらしいわよ。」
「本当!?優しいわね~。」
「でも、こんな時間に1人で毎日泣いているのよ。いくら思ってるとは言え、流石に気味悪いわ。特に、彼女のお祖母さんから譲り受けたって言うあの瞳で泣かれると・・・」
「確かにね。」
カレンは、夕方の伯母さん達の会話で出た、自分に対する酷い言いように我慢しながらそこを通りすぎる。
(分かってる・・・私だって何時までも泣いてちゃいけないことだって・・・でも・・・でも・・・)
そう思いながら歩く。
けれど、彼女の頭からは毎日毎日走馬灯の様に事故の記憶が思い出されるため、前に進もうと思うがその一歩が出なかった。
(はぁ・・・ダメだな私は・・・)
情けない自分にため息を洩らす。
するとそこに一陣の風が吹き、それと同時に一通の手紙がヒラヒラとカレンの目の前に降ってきた。
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