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「手紙?」
カレンはそれを取ると不思議な感じで見ている。
差出人も宛先も不明の赤い色の手紙。
それはカレンに事故で見た彼の血を思い出させ、次第に悲しみを沸き上がらせていた。
「つぅ・・・」
涙が再び込み上げてくる。
すると後ろから、『ワーワー』と慌てている声がした。
涙を堪え、何だろう?と振り向くと、そこには全身茶色と焦茶のチェック柄の服(コート・ズボン・帽子・マフラー)を着て、肩から口が開いている黒いバッグをかけて焦ってる青年がいた。
茶色の服には合う金髪を首辺りで縛り、幼い顔立ちをしている。
(何してるんだろうあの人?)
疑問に思い周囲を見ると、青年の隣には所有物であろう自転車と、たくさんの色とりどりの手紙が散らばっている。
カレンはすぐにこの手紙が彼のものだと気付き、それと同時に彼が焦ってる理由が分かった。
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