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「あのこれ・・・」
拾った手紙を渡せば、青年はとても嬉しそうに受け取った。
「あぁ!ありがとうございます!もう本当すみません!」
ペコペコと幾度も礼をする青年は、身長がなければ完ぺき自分より年下に見える程幼い。
なによりカレンが気になったのは、帽子と鞄についている青い郵便マーク。
(郵便局のマークって確か赤色だよね?)
そんなことを思っていると、青年はボゥとしているカレンに気付いて心配した。
「あの~大丈夫ですか?」
「あっ、はい大丈夫です。」
「よかった。いや実はですね、大事な『モノ』をお届けする途中、道に迷いまして。そしたら石につまづいて自転車ごと倒れて、起き上がったら倒れた拍子で鞄のボタンが外れて中身が出ちゃって。それで拾おうとしたら風が吹いちゃって慌ててたんです。」
「は、はあ・・・」
何とも不幸の連続を繰り返す青年に、カレンは呆れを通り越し呆然とする。
青年はニコやかな笑みを浮かべたまま、ふと受け取った手紙を見ると何かに気付く。
そしてカレンと手紙を交互に見たあと『うん!』と頷いた。
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