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「いたっ!よかったぁ。道に迷ったかいがありましたよ。貴方がそうなんですね水島 カレンさん!」
そう言うと青年はカレンの両手を掴み再び喜ぶ。
一方のカレンは訳が分からなかった。
手紙を見た途端喜び、そして教えてもいないはずの名前を呼ばれ。
たくさんの疑問を浮かばせながら呆然としていると、『あっ、すみません』と慌てて青年は手を放し事情を説明した。
「僕は配達屋の瑠音と言います。ある人から貴方宛てに『もの』を届けてほしいと依頼を受けまして探していたんです。ちなみに名前が分かったのは、手紙についた消印です。」
手紙を見せるとついている青い消印を見せる。
そこには今日の日付と時間が書いてあった。
「この手紙は特殊で届け先に渡されると消印が浮かぶ様になっているんですよ。」
説明を受け納得すれば瑠音から手紙を返される。
しかし、カレンには誰が手紙を寄越したのかがまだ分からないでいた。
封筒には消印だけで、他には何も書かれてないのだから。
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