62人が本棚に入れています
本棚に追加
「これ・・・一体誰からか分かりますか?」
カレンの問いに瑠音は笑みを浮かべたまま答える。
「開けてみてください。」
そう言われてカレンは開けてみる。
すると中から金色の光が放たれた。
しかし不思議と眩しくもなく、それは丁度よく暖かな光。
「な・・・これは・・・」
光は徐々に人の形をなす。
変わっていく形はカレンにとって大切だった者になる。
「そう・・・。差出人は桂木 未琴さん。貴方の亡くなってしまった恋人。」
青年の、桂木 未琴となった光はそっと口を開く。
『カレン・・・』
「っう・・・未琴っ君・・・」
カレンの流した涙が頬を伝う。
泣いたばかりだと言うのに幾度も出ては溢れ落ちる。
「そして届けてほしいと言う『もの』は・・・【気持ち】」
未琴はカレンを抱き締めると、そっと手首を掴みながら少し距離を置いた。
最初のコメントを投稿しよう!