7.おひいさま

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  蛇骨は近づいてくる空気を感じ取った。 自分からもゆっくりと近づいていく。 触れ合わせた龍羅の頬はひんやりとしていた。 「神って熱ねぇの?」 「熱?…さぁ…考えたこともねぇな」 「ふぅん…龍羅、冷たくて気持ちいい」 蛇骨は龍羅の首に腕を伸ばした。   触れ合うところからじんわりと熱が生まれる。 蛇骨はなんとも温かだ、龍羅は思った。 生きていたころを魂が記憶している名残りの熱か。 それとも、そもそも蛇骨の魂が温かなのか。 外道だ、鬼だと怖れられたと言うこの人間が。   くすり、と蛇骨が笑った。 「なんだ」 「龍羅、人間とこうするの初めてなんだよな」 「そうだな」 (食ってしまう為に捕らえ抱いたことはあるが) 龍羅は胸のうちで冷笑する。 「おれは何度もある。数えきれねぇくらい」 首に絡めた腕に力を込めた。 「でも神様とは初めて。おれ、覚えとくな、龍羅の抱き心地」 「…」 「ちょっとひんやりしてて、いい体なとこ」   「なら…忘れたくても忘れられねぇようにしてやるか」   龍羅、ほんと強権だな。   耳元の囁きにさえ、龍羅は熱を感じた。
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