7.おひいさま

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  全く不便で厄介だ。 閻魔王の手を借りなければならないことの多いこの世界は。     やっと地獄門に戻った閻魔王に蛇骨がまたしても呼びかけ、布団をせがむことから始まり、ついでにと簡易な天幕やら水差しやら次々に出させ… 眼前に揃っていく調度品の数々に、龍羅は頭を抱えたくなった。   「おめぇはなんで地獄に堕ちたと思ってんだ」 蛇骨はすらりとした脚を布団に投げ出した。 「閻魔王とおんなじこと言うなよ。龍羅もやっぱり神なんだな」 「一緒にするんじゃねーよ」 放っておくと、ますますこいつの調子に嵌まりそうだ。 龍羅は蛇骨に覆いかぶさった。 途端に蛇骨の瞳がとろん、と潤む。   幕内に焚きしめた花の香の薫りに酔いながら、伸びやかな肢体に、龍羅は身を沈めた。
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