7.おひいさま

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  いつまでのらりくらりとここで過ごすつもりだろう。   お喋りに飽きたと思えば、うたた寝をし、眠りから覚めれば香油をつけてみたり小袖を次々に替えたり。   人間とは時間の観念が違う龍羅でさえ、とうとう、蛇骨の放埒なさまに口を出した。   蛇骨は布団に俯せて足をぱたぱた、不満げに動かした。 「小うるせぇな~神様のくせに」 「小うるせぇだと」 龍羅は蛇骨の襟首を掴みあげた。 「な、なんだよ…」 蛇骨は戸惑いの色を浮かべる。 だが、こうして間近に引き寄せられ、底光りする冷たい瞳に睨みすえられているというのに、戸惑いこそすれ、一向に恐れる様子はない。   「龍羅?」   お前は恐れを知らないのか。   こいつに質して、求める答えが返るとは思えない。 今も言葉にして訊くつもりはない。   だが、ずっと不思議だった。 初めから、ずっと。   胸元から手を放し、顎で指図した。 「天幕も布団もさっさと片付けちまいな」
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