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「『宝石蜂――危機レベル3。違法魔術改造生物。元は観賞用ペットとして作られた。サンドロス・レックス社が聖暦3560年に発売。生物としての蜂に、炎のエレメンタルとルビー、水のエレメンタルとサファイアなどを組み合わせたもの。宝石の体を持つ魔力ある蜂であり――』」 「翌年、顧客に軽傷者多数、重傷者数名を出したことで販売停止。製造も中止。開発者と社長辺りが傷害罪及び魔術使用申請書偽証及びテロリズム容疑で今も獄中だ」 「テロ容疑? そんなの書いてないですけど……っていうか裁判では、えっと……」  読んでいた携帯端末の辞典から目を上げ、大きく飛び跳ねた乗用改造種トカゲの鞍にしがみつく。  ジンさんはたいていどんなものでも騎乗、操縦できるんだけど例外なく運転が荒い。 「裁判では認められなかった。が、検察局の連中は今も洗ってるってウワサだ」 「はあ。もうかなり昔の事件ですよね?」 「お前が生まれた頃かね?――幾つだっけか」 「俺は16ですけど」 「じゃ、その頃だ」
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