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「あ、ちょっと。もしかしてそれ、宝石蜂持ってきちゃったの?」 「ん? ああ」  お茶にむせて本気で死にかけている俺の横で、リカさんがジンさんの手のかごに気付いて非難の眼を向けている。 「ダメじゃない。また怒られちゃうよ? 今からでも遅くないから、危機管か警察局に渡してきなさい」 「あー。明日でいいだろ」 「だって、じゃあ明日までそのまま持ってるつもり? 体によくないよ」  一応咎めはするものの、リカさんは体面なんかよりもジンさん自身を心配しているらしい。  ただちょっと、言い方がお母さんみたいなのがアレなんだけど……。 「平気だって。ちょっと気になることもあるしな」 「しょうがないなあ」  はあ、と可愛らしくため息。こういうところは女の子っぽい。ウェーブのかかった長い髪とか、よく着てるふんわりしたスカートなんかももちろんそうなんだけど――でも、リカさんの年齢ってかなり不詳なんだよなあ。  勤めはじめて結構経つけどそんなん怖くて絶対聞けねえ。
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