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勝手にふてくされていると、リカさんと目が合ってお互いに苦笑してしまった。
分かるよ、という連帯感。できればもっと他のことについて持ちたいもんです。
「テアル、勉強は進んでる?」
ふいにたずねられて、俺はまたむせそうになった。痛い質問だ。
「あ、はい。あの、いえ。……ほんとはあんまり」
「仕事、今忙しいもんねえ」
「根性足りねえんだよ」
「そんなことないよね。テアルは頑張ってると思うよ?」
「は……い。ありがとうございます……でも」
ジンさんの容赦ない台詞と、リカさんの優しい言葉がぐっさり突き刺さる。
どっちも、今はちょっとキツイ。
「今年の合格はもう、ちょーっと厳しいかなあ、なんて」
はは、と笑えていない笑いを漏らして弱音を吐く。俺ってなんて情けない奴なんだ、と思うけど、ひきつった顔は直らない。
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