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ジンさんは軽く眉を寄せ、リカさんは励ますように軽く俺の頭に手を置いた。
「大丈夫だよ、まだ間に合うよ。ほら、疲れてるかもだけど、今日は帰って勉強しなよ」
「でも俺まだ仕事が」
「うん、私やっといたから」
「へ?」
ぽかん、と口を開く。さぞかし間抜けな顔をしていることだろう。
リカさんの言葉の意味が、一瞬、真面目に理解できなかった。
「えーと、マナ観からのデータ処理」
「あ、そうそう。久しぶりにやったからちょっと忘れてたんだけど、大丈夫! 今日までの分は終わらせて置いたからね」
「ぜ、全部っすか?」
「うん。今日お客さん少な目だったから」
にこやかにリカさんは言う。
「あとね、普通の売買許可証については私が出しておいたんだけど、営業許可証については待って貰って、一応書類だけ作っておいたから。後で店舗チェックとかのときに使ってね」
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