お役所少年奮闘記

３

　　そしてこの仕事も。

　辛いこともあれば面倒なこともあれば大変なことも――あれ？　なんつーか嫌なことばっかじゃね？
　いやいや、違うんだって。そうじゃなくて。

　そう、たとえば、宝石蜂事件の翌日、通報した例の女性から娘さんは無事だったと連絡が入る。
　改めて届いた、丁寧で心のこもった礼状と一緒に。

　こういうことがあると、また頑張ろうと思うし、俺のやってることにもちゃんと意味はあるんだなあ、なんて感慨深くなったりもする。
　ってことが言いたかった。　

　俺も昔、そうやって死ぬほど感謝して、今ここにいるんだし。

　そうだ。
　そもそも俺はこの職場で働きたくて頑張って来たはずだ。そして今も正職員を目指している。
　ジンさんやリカさんや他のみんなに追いつきたいと思うし、認められたいと思う。

　それに、どうやら期待されているということも、分かってしまったわけだし。