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「あのう、一応聞きますけど、ギルドに討伐依頼なんかは」 「出すわけねえだろ、アホか。レベル5以上からだそんなもん」 「ですよねー」  言ってみただけです。  ジンさんはこうだが、普通は違う。間違っても役所の人間がレベル3の危険生物を相手にしたりしない。つーかできない。  そういうのは警察局か専門職の方々のお仕事、の、はずなんだけどなあ……。その警察からなぜかいつも仕事が回って来るっていう。 「えーとちなみに武器携帯許可なんかは」 「降りねえなぁ。残念ながら、それもレベル5以上だ。勉強不足」 「いえ、知ってます。一応聞いただけっす」  むしろ、武器携帯許可なんてほいほい出ちゃ困る。ここは警察でも軍でもないんだから。  俺はため息をついて机の引き出しから青のエレメンタルを取り出した。半透明の青い石は無加工の原石だが、練習用にはちょうどいい。 「宝石蜂ってことは火属性が多いから、っと」 「お。よく出来ました。お前にしちゃ上出来だ」  ジンさんが笑ってロッカーから虫取り網と虫かごを取り出している。  もう一度言うけど、虫取り網と虫かごだ。夏になると子どもが遊びで使う、アレだ。
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