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「んじゃ行くぞ」  いつのまに用意したのか。  外出用の制服と記章を――着崩してはいるけど、一応――身につけたジンさんが窓枠に片足をかけていた。 「念のため聞きますけど。俺も行く、んですよね?」 「は? 当たり前だ、お前が受けた話だろうが」 「いえ、最初っからジンさん指名で来てましたっ」 「馬鹿か。電話は受けた奴がその話の責任取んだよ。あとは勉強だ。させてやるっつってんだからありがたくついて来い」 「……はーい」  ま、分かっていたことなので、俺は諦めて制服を羽織る。 「あ、でも、留守番」 「あぁ、一応特係に行ってる奴に……そうだな、リカルラ辺りに頼んどくか」  面倒そうに受話器を取り上げて、ジンさんは隣の係に連絡している。  一言、二言で話はついてしまった。正直、もういつものことなので術管内では誰もジンさんを止めたりしない。や、もしかしたら役所中かも。
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