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車は、山を下るが霧は全く晴れる気配がない。 「もうすぐ梺(ふもと)に着くはずなんだけどな~」 下り始めてもう1時間経っていた。 なかなか着かないので、不安になった祐実が聞く。 「もしかして……迷子?」 それを聞いて光輝は驚いた。 「それはありえない!だって1本道だから」 祐実はそれを聞き迷子ではないのがわかったが、不安は消えなかった。 俺もちょっと不安になり、光輝に聞く。 「光輝。なんかおかしくないか?」 「なにが?」 「こんだけ下りてるのに着かないのは……」 「確かにそうだけど……もうすぐ着くだろ~?」 光輝はまだ危機感がなかった。 すると隆二がまた変な事を言い始めた。 「みんな噂知ってるか?」 『なんの?』 「この山の噂だよ」 『聞いた事はあるけど……』 「もしかしたら連れて行かれてるのかも……」 隆二がそう言うと、5人は生唾を飲み、変な汗が出てきた。
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