鈴木だ

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今井探偵事務所。 これが私が働いている、働いてやっているといっても過言ではない私の仕事場だ 本来なら、『鈴木探偵事務所株式会社』という名前にすべきなんだろうが 私程有名になると、色々隣国から狙われたりするわけで あえて今井という、うだつの上がらない男を社長にたてているのだ 有名人なんかとの社交パーティーなんかにも、今井は私の代わりに出席する お陰で、私はローンを組んでまで買ったパーティー用の燕尾服の袖に、未だに手を通していないのさ。 はっはっは……… …… …… というわけで私は、今井の下で隣国の奴らに邪魔されることなく探偵業に専念できるわけだ。 格好いいからもう一度言っておこう というわけで私は、今井の下で隣国の奴らに邪魔されることなく探偵業に専…… 「鈴木さん」 「はいっ」 「仕事です」 「ありがとうございます。殺人ですか?」  ふっ、と見下した目で事務の女の子が笑った。 「猫の捜索です」 「それは大事件だ。腕のふるいどころですね」 「お願いします」 「任せてください」  彼女の名前は片平マキ。どうも私に惚れているらしい。全く、スズキマキなんて早口で言いにくいじゃないか、困った子だ。  今度今井に言って給料を上げもらおう。月13万じゃあデートも出来ない。 私は早速仕事に取りかかることにした。
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