涙の遺書

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家の中は薄暗く静かだった。 電気をつけると玄関に息子の靴がある。 手早く夕食を作り終えると、息子に声をかけた。 「大輔、ご飯出来たわよ。」 返事がない。 よっぽど疲れてるのかと思ったが、もう一度声を掛けてみる。 「大輔、ご飯食べないのー?」 部屋のドアをノックする。 「大輔? 開けるわよ?」 ガチャ 廊下の明かりが暗い部屋の中を照らし出す。 そこで見たものは、 首をくくり自ら命を絶った息子の姿だった。 隅の勉強机には、封筒が一つ置かれていた。
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